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教員の夏休み2025 Vol.3 自殺予防学会に参加してきました

2025-10-06
研究

 9月5・6・7日にビックハート出雲で開催された第49回日本自殺予防学会総会において、心理学科の教授の佐藤睦子先生が参加されました。

 今回は出雲ということもあり、学会の様子だけでなく、その行きかえりの電車の風景も交えて報告していただきます。

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 この9月5日、出雲で行われた第49回自殺予防学会に参加してきました。

 

会場の写真と総会の案内

 大阪府で自殺予防対策に関わっているため、思い立って自殺予防学会に参加しました。わたしは、鉄道が好きなので、今回は敢えて新幹線を使わず在来線のみで出雲に向かいます。新大阪から特急に乗り、明石・相生方面から山を越えて鳥取に至る間、電車の揺れと景色を楽しんでいると、あっという間に出雲でした。

 初日は、「ゲートキーパー養成指導者研修会」にワークショップ参加です。大阪府の当該市では、「誰もがゲートキーパーに」という目標を掲げ、どんな人でもその人の関わり方を通じてゲートキーパーになることを目指しています。でも、正直なところ、「人の生死に関わりたくない」と消極的な方もおられて、そのような人たちに対して「誰でもゲートキーパーに」とお願いするのはなかなか難しいものです。ワークショップでは、どのような研修が効果的であるかの評価から、現在増えている低年齢層の自殺についても触れつつ、幅広い視点でのお話を聞きました。

 2日目は、「ゲートキーパー研修の評価とエビデンス」というシンポジウムと、「若年者のうつと自死」というランチョンセミナー参加でした。ランチョンセミナーでは、美味しいお弁当を食べながら先生のお話を聞くので、お話の内容が入ってくるような、お弁当で気が散るような微妙な感じです。このセミナーでも、若年者の自死は大きな問題となっていて、「若年者は3日で死にます」という言葉に改めて驚きました。前日も同じようなことを言っておられたのですが、若い人は、自殺しよう、と思って3日以内に実行する人が最も多いのだそうです。衝動的で他者に相談もあまりしなくなっている年代なので、予防がとても難しく、今後の課題だなぁと思いつつ、お弁当をいただいていました。

 2日目の朝、出雲大社にお参りに行きました。

 

晴天に映える出雲大社

 京都の神社仏閣とは少し趣が違って、神秘的な感じがします。朝だったので人が少なくて、とっても静かで厳かな気持ちになりました。学会で、学会誌の表紙となったところを探してみてください、と言われていたので、出雲大社を巡りに巡って見つけた写真です。

 

アングルがなかなか難しい表紙の位置

 学会の内容もちょっとしたお出かけも、とても興味深く刺激的な2日間でした。そして、帰りも在来線特急で大阪まで戻り、電車の旅も思い切り楽しんだのでした。

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 以上、佐藤先生からのご報告でした。

 本学でも自殺予防の活動に学生さんたちが参加しており(過去の記事はこちら)、大切なテーマに関する学会活動のご報告でした。

 学会の大会は様々な地方で行われるため、その行きかえりのエピソードも学会ならではの内容であり、まさに“夏休み”という感じですね。

 また来年も多くの報告ができるよう、学生・教員、一丸となって研究に邁進していこうと思います。

  

報告:佐藤睦子、広報担当